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アメリカ商標法解説(4)連邦商標法の成立

最初の連邦商標法の成立

米国の商標権は、後に説明する通り、その当初は州における判例の蓄積により認められるコモン・ロー上の商標権として認められるものでありました。

その後、経済発展にともなって商標保護の要請が高まっていき、1870年に最初の連邦商標法が成立しました。この商標法は憲法の著作権に関する条項を立法の根拠とするものでしたが、残念ながら、これが不適切・憲法違反であるとして、後に無効となってしまいます。

州際通商条項に基づく連邦商標法

そして1881年に改めて成立した連邦商標法は、合衆国憲法により連邦議会に与えられた権限の一つであるの「州際通商条項」(連邦憲法第8条)を立法の根拠とするものとして認められました。

この州際通商条項は、具体的には「外国との通商、州際間の通商およびインディアン部族との通商を規制すること」を内容とするものでありましたが、これによって連邦商標法は、州際取引及び国際取引を対象とします。

一方で、州の商標法は、州内で完結する取引を対象とすることで整理されています。

 

現行の連邦商標法は1946年に成立し、法案提出者の名前にちなんでランハム法又はランナム法(The Lanham Act)と呼ばれています。時代の要請にしたがい、1988年の使用意思に基づく出願を認める改正や、1995年の周知商標保護を強化する改正等、種々の改正を経て、現在に至っています。

 

アメリカ商標法解説(5)商標権の発生・・・権利の種類