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中国 輸入品への(R)表示も違法に(「商標の一般的違法に関する判断基準」施行)
「中国商標法」や「中国商標法実施条例」で違法とされる商標使用に関し、解釈を統一するために、2022年1月より、「商標の一般的違法に関する判断基準」が施行された。これにより、一部の違法使用については、より厳格な解釈が適用されることになったが、特に実務上の影響が大きいものについて紹介する。
- 未登録商標を登録商標と偽って使用した場合
これまでも、商標法52条により「未登録商標を登録商標と偽って使用すること」の是正・罰金や、実施条例63条により「登録表示には(注)(R)が含まれること」が例示されていた(中国では、登録商標を注册商标と書くため、(注)も登録表示となる)。
今回の基準により、輸入品に登録表示が付されている場合も違法使用となることが明確化された。すなわち、(R)を付した商品が中国に輸入された場合、中国で商標登録されていなければ罰金のリスクが生じることになる。
- 商標法第10条の規定に違反し、商標として使用してはならない標識を使用した場合
同条項で禁止される商標の使用として、「公序良俗違反関係」「国家の名前、国旗、軍旗、国家を侮辱する商標」「欺瞞性を帯び、商品の品質・産地を誤認させるもの」などが挙げられている。
今回の基準により、これらが「中国国内の公衆の一般的な認識」に基づいて判断されることや、「欺瞞」「品質誤認」の解釈基準等が明確化された。これまでは、「品質誤認により拒絶された商標」について、「登録はできないが使用は可能」と理解されることもあったが、今後は、このような商標の使用には罰金等のリスクが生じることになる点に留意が必要である。