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指定商品翻訳の苦労(「登録商標」は指定商品にできない)

弊所は、事務所の規模の割には、いわゆる外内案件(外国からの日本出願の依頼)が多く、国内出願の半数を占めています。

外国からの出願依頼は英語でして、指示書に記載された指定商品・役務も英語ですので、出願に際しては、これを日本語に翻訳する必要があります。そして、先願主義ですから、当然ながら、これを迅速に行わなければなりません。

この指定商品・役務の翻訳作業において、まず利用するのが、特許庁が公開している「指定商品・役務リスト」であり、そこの英訳が指示書と一致していれば、対応する日本語表記を採用することになります。外国でもニース分類を利用していることが多いので、このリストから選択できる場合も多いのですが、そうでない場合は、日本の実務に合うようにうまく翻訳する必要があります。直訳ではありませんので、もとの指定商品・役務の実体的な意味を維持したまま、商標法6条の拒絶理由を受けないように工夫するのが腕の見せ所です(とはいえ、出願完了報告は指示された英語で返しますので、この苦労は出願人に分かっていただけないのですが、最終的に拒絶理由通知の少なさということで、実感していただけます)。

ところで、先日の案件では、指示された英語での指定商品の一つが「trampolines」(トランポリン)でした。

これは、さすがに、特許庁の「指定商品・役務リスト」に掲載されていると思いきや、全く見つかりません。そのため、過去の登録事例までチェックしましたが見つかりません。

もしや、と思い、Jplatpatの商標データベースを検索したところ、やはり、ありました!「トランポリン」は登録商標でした!(登録番号第586134号:セノー株式会社)1962年 5月 7日の登録とのことで、歴史ある権利のようです。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1960-025938/1D2E077D58C02DB2C983BC10E6EE28CE5E17B1C063DFE36103EA4364A529A27B/40/ja

特許庁では、登録商標を指定商品として記載することは認めておりませんので、何とか他の表現を用いて指定する必要があります。このような例として、「スマートウォッチ」があり、これはアップルの登録商標ですので、「腕時計型携帯情報端末」のように記載しないと、拒絶理由が通知されます。

「トランポリン」をどう表現するか。。。うーんと唸って考えました。最終的には、「キャンバスシートをスプリングで固定した跳躍運動用具」で落ち着きました(笑)。

 

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